GPU(Graphics Processing Unit)は 1999年に半導体のメーカーであるNVIDIAによって

コンピュータグラフィックスの演算処理を行う画像処理装置として作られました。

 

CPUは汎用的な処理を行われるためにできましたが、GPUは比較的単純な処理、

特に 3次元グラフィックスに必要な計算を高速に行うために専用に設計されたプロセッサになります。

3次元グラフィックスというのは、物体を多数の点に分解し、

点と点を線で結び、線に囲まれた面に色を付け、光源の計算などを行います。

 

物体を回転させたり移動させたりする場合には、全ての点について座標変換の計算が必要になります。

これは大量のデータに対して同じ演算を一斉に行う並列処理で、演算コアを増やせば増やすほど効果が出ます。

結果的にキレイな映像が滑らかに動く動作は、GPUの性能によって左右されるということなのです。

 

また、座標変換は基本的には行列計算で、積和演算が中心となるため、GPUの演算コアは積和演算に特化した構造になっています。

この構造こそがAI/DLの処理に必要な構造として注目され、AI/DLを行う研究者や企業に使われるようになりました。

 

・GPUの他の呼び方

もともと、GeForceシリーズで知られるGPUチップメーカーのNVIDIA社が

「GPU」と独自に呼称していたのですが、そのうちに一般的な用語となりました。

他の呼び名では「ビデオカード」、マイナーな言い方では「グラフィックコントローラ、ビデオコントローラー」と呼ばれます。

 

・グラフィックボードの種類

多くのメーカーから様々な種類のGPUが出ているので種類も無数に存在しているように感じるかもしれません。

一方、メーカーや商品名の数には惑わされず押さえるべきポイントは一つ、

どのGPUチップメーカーのなんという種類のチップを搭載しているか?

という点です。

 

この GPUのチップ が同じメーカー(NVIDIA or AMD or intel)のもので

同じチップの種類(RTX 2080 ti や Vega 64等)であれば、

異なるメーカーが製造販売しているグラフィックボードでも似たような性能になります。

違いが出てくるのは冷却性能とオーバークロックの設定有無くらいです。

 

そのため、まずは GPU のチップメーカーと種類を確認することが重要になってくるわけです。

では、どれくらいの種類があるのかというと、

現在は技術競争の末にかなり淘汰されているので、一般的に出回って入るのは以下の 2 種類 絞られます。

1,NVIDIA GeForceシリーズ

2,AMD RADEONシリーズ

詳しくは見ていきましょう。

 

1,NVIDIA GeForceとは?

GTX1060

一つ目の GeForce とは、米国の NVIDIA ( エヌビディア ) 社が開発している GPU のブランド名です。

技術競争が激しかった頃から開発スピードが速く、
C

現在、PCに搭載されているGPUではトップです。

旧世代の安価なもの から 高性能 なものまで幅広く扱っていますし、

2D・3D グラフィック の両方とも安定しています。

最近のものであれば、オールマイティな GPUと言えると思います。

 

また、ゲーム開発会社やインフラ開発会社への資金援助や技術協力も積極的に行っていることもあり、

ことPCゲーミングにおける処理性能では唯一無二のポジションを築いていると言っても過言ではありません。

 

2,AMD RADEONとは?

RX570

二つ目の RADEON とは、米国の AMD ( エイエムディ ) 社が開発している GPU のシリーズ名です。

以前は、ATI Technologies ( カナダ ) という企業でしたが、2006 年 に AMD に買収されました。

 

かつては 映像 や 動画 の性能が GeForce よりも優れていると言われていましたが、現在は GeForce と大差はありません。

一方、3D の性能が GeForce よりも劣っているとも言われていましたが、この点においても現在は差がありません。

 

結果としてAMDはGPU性能には大差はありませんが、PCゲーミングにおけるブランディングや

PCゲームプラットフォーマーへの働きかけ、ソフトウェア開発会社、インフラ会社との協力関係において

NVIDIAから遅れをとってしまったというのが市場関係者からの見立てです。

 

一方、AMDの強みはBtoBの拡販力は強く、

Sonyのプレイステーション4のアーキテクチャやApple Mac proシリーズなどはAMDのGPUが搭載されています。

 

この拡販力はNVIDIAと同性能のものを低価格で購入できるためと言われております。

性能に大差がないのであればコストメリットを優先させ、利益の最大化を図るという企業のミッションを考えると当たり前の話だとおもいます。

  

話を戻すと、PCゲーミングユーザーは

コスパを意識する人・技術を持ったマイノリティを応援したい人はAMD、

価格は高くても性能が若干でもよいものを買いたい人はNVIDIA、

と考えていただければ 問題ないかと思います。

 

GPU はこの 2 種類 に分かれるので、グラフィックボードを選ぶ際には、

どちらのメーカーのチップでなんという種類のものかを確認しながら選ぶのがポイントです。